古別府ひづる(日本語教員養成課程主任)


 平成26年度日本語教員養成課程のHPを3年ぶりに発行することになりました。3年という歳月の意味についてじっくり考えるゆとりもないほど、急速に変化する社会に戸惑いを感じながらも、確実にその時はあったことを確認するために、2014年度HPを作成することにしました。
 以下、内容についてご紹介します。

 まず、日本語教員養成課程の目玉である日本語教育実習ですが、今年の、国内実習は、深く印象に残る実に楽しい実習でした。来日した交流協定校の中国曲阜師範大学と韓国慶南大学からの留学生同士の仲が非常に良く、教室における学習者同士が教え合う様子は微笑ましいものでした。その成果でしょうか、最初、ひらがなしか書けなかった中国人男子留学生が、最後の仕上げであるスピーチコンテストで、明瞭な発音と短くても気持ちのこもった、そして体を張ったスピーチをし、ユニーク賞を獲得した時には、驚きと嬉しさと笑いの混じり合った歓声が起きました。彼らの学習の様子が、HPで、少しでもお伝えできればと思います。また、今年度初めて、卒業生が主任をしている日本語学校での実習も行うことができました。実習生は、日本の大学や専門学校の受験を目的とした就学生(主にアジア出身)に教えることの現場の厳しさと先輩の活躍ぶりを肌で感じたようです。

 次に、十数年間、送り出してきた海外日本語アシスタントに関しましては、2011年度から国際交流基金の日本語教育インターンプログラムに毎年採択され、半年から1年間の長期日本語アシスタントをアイルランド、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、マレーシアへ2014年度までの4年間で計12名派遣することができました。採択された40余りの日本の大学の中で、中等教育機関に派遣している大学は数校しかなく、県大の特徴として挙げられるかと思います。また、世界の日本語学習者数の半数以上を中等教育機関が占める中で、特に欧米の日本語学習者が減少している現状において、派遣国の教育省の外国語教育政策にアピールするという意味で、日本語インターンの派遣は大いに促進すべきことだと言えます。来年度以降は、さらにドイツや英国を視野に入れて送り出したいと考えております。2011年度と2012年のインターン経験者のうち、既に3名が卒業後日本語教師となり、駆け出しの教師として頑張っています。今回のHPでは、2011年度以降の日本語アシスタントに絞り、活動内容をご紹介します。インターンの経験が、卒業後にどのようにつながったかを知る機会になるかと思います。

 さらに、今回は、卒業論文も掲載することにしました。論文よりもレポートと言ったほうが適切な内容ですが、教師でもない学習者でもない日本語アシスタントの視点で、ニュージーランドの中等教育機関の日本語教育を観察した、示唆に富む力作です。尚、この論文は、国際文化学部国際文化学科のベストプロジェクト賞に選ばれたものでもあります。

 最後に、卒業生の声も届けたいと考えました。日本語教員養成課程が発足して20年になりますが、国内外で活躍している卒業生のうち、一期生から五期生は、年齢も30代後半を迎えています。10年以上の経験を持つ日本語教師となり、在学生を実習生として勤務先の日本語学校に受け入れてくれたり、海外実習の受け入れ校の開拓の際に、赴任国の教育省の手続きに奔走してくれたり、進学の相談や集中講義を引き受けてくれたり等、実に頼もしい存在となっています。在学生や、日本語教育に関心を持つ高校生が、このHPを通して、10年後、5年後、2年後の自分の将来を描く参考にしていただければと思います。

 今後も、これまでの活動の積み重ねを大切にしながら、山口県立大学の日本語教員養成課程の充実・発展に努めたい所存です。
 ご指導ご鞭撻、よろしくお願い申し上げます。

2015年3月吉日