現在大学院に進学している卒業生へのアンケート
8期 武村美和さん
                 

@ 山口県立大学で日本語教師養成を受講されようと思ったきっかけは何ですか?
 高校の時から様々な国で仕事ができる日本語教師に将来なりたいと考えていたため、日本語教師養成課程のある山口県立大学を受験しました。


A 山口県立大学での実習の印象深い思い出は何かありますか?
 国内実習の時に、徹夜で準備をしたにも関わらず学習者の質問にも満足に答えられないような悲惨な授業をしてしまったことを今でも覚えています。時間をかけて教材を作成することが良い授業につながると考え、タスクや絵カードを作ることに莫大な時間を費やしていました。ですが、絵カードがいくら美しくても、学習者の学習や習得の助けにならなければ時間と労力の無駄に終わってしまいます。なぜその教材が必要で、どのように用いることが最も効果的であるのかなど、何かを教室に持ち込む際には必ずその必要性や効果を自問自答することが大切であると学びました。


B 現在、大学院へ進学されているとのことですが、進学されるまでの経緯などを教えて下さい。
  (無回答)


C 「大学院へ進学しよう!」を決心した際は、何かきっかけのようなものはありましたか?
 大学院進学に当たり、私の背中を押した一言は、卒業論文を指導して下さった先生の「この論文、学会発表してみたら?」という言葉です。当時、学会発表が何かもよく分かっていなかった私は、「学会発表して意見をもらってから卒業論文を書きます」と身の程知らずで、今思えば恥ずかしい発言をしていました。しかしながら、実際には学部生が学会発表することは難しく、そのチャンスはありませんでした。そのため、自分の研究を学会で発表し多くの方から意見を頂くためにも、大学院に進学したいと考えました。


D 現在、大学院でどのような研究をされていますか。
 私の博士論文のテーマは、「日本語の視点表現の習得」についてです。日本語には、授受動詞や受身など、話者の視点を表す視点表現と呼ばれるものがありますが、日本語を第二言語とする学習者にとってはその習得が難しいことが指摘されています。例えば、「母がお金を送ってくれました」と言えば、日本語母語話者であれば、「私に」が省略されていても、「母」から「話者」にお金が移動したのだと自然に解釈できます。しかしながら、学習者の発話には「母がお金を送りました」のように、視点表現が欠如しているものが見られます。これは、「誰が誰に」という動作の方向性が分からないだけでなく、日本語らしくない学習者の不自然な日本語の原因ともなっています。そのため、学習者にとって視点表現の習得がどうして難しいのかについて現在研究しています。


E 山口県立大学での体験が、今の大学院での研究に役立っていると感じることがありますか?
  また、それはどんなことですか?
 古別府先生が教えて下さった「何かほしい情報やしたいことがあれば、自分で動いて手に入れる」という精神が大学院生になり、大変役に立っています。学部もそうですが、大学院は教えてもらう勉強ではなく、自分で研究テーマを決め、自分で進めていかなければなりません。なぜなら、博士号を取るということはその分野の専門家になるということなので、誰かに教えてもらえるのを待っているようでは、新しい分野を切り開いていけないからです。そのため、常に自分で動き自分で考える積極性を日本語教師養成課程で身につけられたことが私の財産です。


F これから日本語教師をしたいと考えていますか?
 日本語教師として留学生に日本語を教えたり、日本語教師を目指す人の養成に携わりたいと考えています。


G 「したい」とお答えした方 → どうしてですか?
 博士課程後期まで進学してしまったら,もう他の職業に就けないというのもありますが,やはり1番の理由は,日本語教師はとてもやりがいのある仕事だと感じるからです。教えている学生から,「先生の授業が一番好きです」と言われた時には,教えていて本当に良かったと感じます。また,他の分野と違い,研究だけ,現場だけ,というのではなく,教師として教えながら研究できることにも魅力を感じます。

この国,学校,機関で働いてみたいなどはありますか?
 博士課程修了後には、国内か国外の高等教育機関で日本語や専門分野の教授に携わりたいと考えています。


H では、最後に後輩にメッセージをお願いします。
 私は、日本語教師ほどおもしろい職業はないと感じています。なぜなら、教室で教えることで出てきた疑問を研究により探り、研究成果を教授に反映することで、教師自身常に成長していくことができる仕事だからです。学部時代には、「日本語教師は夢のような職業だ」と単純に理想を抱いていましたが、実際には教えること1つとっても、人間相手なので、根気のいる難しい仕事です。研究に至っては、先の見えない真っ暗なトンネルを進んでいるようなもので、常に不安と隣り合わせです。それでも、今教えることや研究を続けていられるのは、良い先生方と励ましあえる同志に恵まれたからだと思います。
私の場合、中国に行ったことで人より1年多く大学に在籍し、更に修士課程修了後、博士課程後期は別の大学院を再度受験しました。そのため、学部から一貫して同じ大学に在籍している博士課程の同級生に比べれば劣る面も多いと感じます。ですが、様々な経験があることこそ私の個性であり、様々な人と出会ったからこそいろいろな方面につながりができました。皆さんも、自分にしかできない経験をたくさんして、是非オンリーワンの教師や研究者を目指して下さい。応援しています。