日本語アシスタントの方へのアンケート

〜ニュージーランド編〜 13期生(2006年度入学) 盆子原三晴さん


【山口県立大学日本語教員養成について】

@ 山口県立大学国際文化学部の日本語教員養成を受講しようと思われたきっかけを教えてください。
 日本語教員養成課程を受講した方が、卒業単位取得の効率が良いと考えたため。
在学中に、少しでも海外に行く機会を持つため。(日本語教員養成課程を受講することで、海外実習やアシスタント派遣で海外に行く機会を持つことができる。)

A 大学での日本語教育実習の思い出は何ですか?
 私は、国内実習・国外実習を両方経験したのですが、両者は明らかに異なるものでした。直接法と間接法とでは物事の提示の仕方が異なる、学習者の層によって学習項目の習得の仕方が異なる、さらには教師によって授業展開が全く異なるということを、自分の体験を持ってして学べたことは良かったです。自分の実習どうこうよりも、現場で働く日本語教師の姿を生で見られたことが何よりの収穫で、思い出だったと思います。

B 最も印象に残った日本語教員養成課程での授業は何ですか?
 日本語教育実習・「日本語教育史」です。

 
【海外でのアシスタントについて】

C どこにお住まいです(でした)か?(どのように暮らしているかも教えてください。(ホームステイ、寮など)
 New Zealandの首都であるWellingtonでホームステイ暮らしをしています。

D どのような人たちに日本語を教えています(した)か?
 学内:Year9〜13(中学2年生〜高校3年生)
 学外:Year11,12(高校1,2年生;家庭教師)

E 海外で実際に日本語を教えるにあたって、また、生活面でカルチャーショックを受けたことはありますか?
 はい、ありすぎます・・・。私たち日本人が中学・高校で習う英語はアメリカ英語が主ですが、イギリス英語を主体とするNZでは、ある単語ではアメリカ英語とは異なるイギリス英語を使用したり、スペル・発音が多少異なったりと、小さな違いがたくさんあります。ワークシート一枚作成するにも、そういった違いに配慮をしながら、作成していく必要があります。(例:真ん中;centre(米英語表記:center))生活面では、自他共に各人は、言語・文化・各々の生活環境によって形成されていることに改めて気づき、良い意味でも、悪い意味でも、物事に対する考え方・思考回路自体の相違をその人の一個性として受け入れないと異文化の中では生きてくことは難しいなと思いました。(例:価値観、言葉遣い、麻薬に対する考え方など・・・)

F アシスタントはどういうことを行うのですか?
 生徒の学習補助、授業環境の準備、教材作成のお手伝い、コピー取り、小テストの採点、再テストの監督、昼休みの補習授業など。

G 週にどのくらい授業に関わりますか?
 専任の日本語教師がいるので、私が教壇に立って授業を行うということはありません。ですが、日本語の授業がフランス語の授業時間と被ってしまって、日本語の授業を履修できなかった生徒や、早進度の生徒にマンツーマンで毎日日本語を教えています。

H 現地でアシスタントをする際、言語で苦労したこと(現地の言葉を知らなくて苦労した)ことはありますか?
 はい、日常生活で言語に苦労しない日はないです。アメリカ英語を勉強してきた日本人にとって、イギリス英語はあまり身近なものではなく、さらにNZ英語は、世界的に見てもスピードが速い上に、はっきり発音しないため、聞き取りにくく、耳が慣れるまでは何を言っているのかさっぱりわかりません。イギリス英語独特の言い回しや、口語表現特有の俗語などは、辞書に載っていなかったりするので、理解するのに一苦労です。
    ですが、基本、アシスタント業務の際の私に対する生徒からの質問のフレーズはだいたい決まっているので聞き取れている気がします。私は適当に英単語を並べるか、簡単な日本語で答えを提示するので、なんとなくですがコミュニケーションは取れている気がします。わからないときは、すぐに福家先生に助けてもらうので、私自身そんなに困ることはないです・・・。

I その苦労が乗り越えられたときのエピソードを教えてください。
 未だに、その苦労は乗り越えられていない気がします。耳慣れして、たくさん話すしかないみたいです。

J 授業以外に日本語を学んでいる生徒との交流はありますか?あるとしたら、それはどういうものですか?
 はい、あります。授業以外ですと、昼休みの再テストの時間や補習授業中に生徒と顔を合わせます。放課後には週2回、家庭教師をしています。

K 海外でアシスタントをしようと思った経緯を教えてください。
 @実習でQMCに来て、福家先生のプロフェッショナルとして働く姿に一目惚れしました。将来、キャリアウーマンとしてバリバリ働きたい  私にとって、輝かしく働く女性の姿を間近で学ぶのに絶好の機会だと思ったのがきっかけです。
 A大学を卒業して一旦社会に出てしまうと、お金はあるが時間的に自分のやりたいことが簡単にはできなくなるということをちらほらと耳 にはしていました。そこで、大学を卒業するまでに自分がしたいことは何かと考えたときに、海外で長期生活を送ってみたいと思ったの  がきっかけです。
 
L 将来、日本語教師になりたいと思いますか?それはどうしてですか?
 いいえ、特に考えていません。私自身、日本語をよく間違えるし、何よりも教師という職業に向いていないと思うので・・・。日本語教師とい う職業は、まず需要が少ないですし、日本語・日本語教師は私には奥が深すぎます!!

M 今後、ある特定の国で日本語を教えたい、という願望はありますか?それはどうしてですか?
 特にないですが、台湾や韓国など、日本の文化に興味を抱いている学習者の多い国が良いですね。やはり、日本の文化に興味を持っている学習者は日本の媒体を通して、他の学習者より日本語に敏感で、心底日本が好きな方が多く、学習に対する姿勢も真面目だと思うので。

N アシスタントになって、良かったことや、苦労したことなど、何でもいいので教えてください。
【良かったこと】
 @3年間大学で学んできたことには全て意義があったことに気付くことができました。国際文化学部では、広く浅く様々なことを学んできましたが、そのどれもが異文化を理解する上で、必要な要素になり得ることに気付きました。
 A一年前は就きたい仕事がなかった私ですが、今では就きたい仕事を自分の中で、はっきりと定めることができました。一年という時間の流れの中で、自分が変化すると同時に、世界の流れも変化しました。時を待つ機会を持つことができて良かったと思います。
【苦労したこと】
 @語学力です。先生や生徒とコミュニケーションを図りたくても図れないことがしばしばあります。
 Aワークシート一枚作成するにも、先生のteaching styleに沿った内容で作成する必要があり、フォントの種類、英語のスペル・文法、漢字の使用制限など、細かい配慮が必要とされます。

O これまでの経験がアシスタントに生かされていると感じることはありますか?それはどんなことですか?
 特にないですが、私は妹がいるので、妹と同じような世代の子とは違和感なく付き合うことができるくらいですかね。

P では、最後に後輩へのメッセージをよろしくお願いします。
 アシスタント生活をしようと思ったら、確かに、お金と時間は掛かると思います。アシスタント業務はボランティアですし、一応、受け入れてくださる先生が必要としてくださって来ているわけなのですが、最終的には自分が決めて来ることです。ふと、「この選択をして良かったのかな・・・」と思う日もありますが、人生100年と考えたら、今の一年は人生の1%にすぎないんですよね。この一年という時間をアシスタントとして過ごし、一年後、大学に復学して、社会に出る方が、以前とは違った物の見方や考え方ができ、その後の人生もまた違った形で送れると思います。私は一年前と現在とでは物事に対する考え方が変わった部分もありますし、数え切れないほどの多くのことを学ぶこともできました。このような機会は誰にでも与えられているものでもないですし、自分から掴みに行くものだと思います。アシスタント生活は自分一人の力ではなし得ないものであり、古別府先生、福家先生、家族をはじめとした周りの支えがあってこそ、初めて成立するものです。それを踏まえ、何かしらの理由があって、自分にこういう機会が与えられているのだとも思います。
   あと語学力ですが、アシスタント生活は留学生活とはまた違った生活なので、英語力が簡単に伸びるかといったら、そうでもないかと思います。(個人の努力によると思いますが・・・。笑)
   アシスタント生活と一口に言っても、勤務する学校、先生、生徒、生活環境によって、感じる事も学ぶ事も人それぞれ違うと思うので一概には言えませんが、私は、この一年で多くの人に出会い、様々な事を学ぶことができました。社会の中の学校という場所で教員の一員として働くことで、学ぶこともあれば、異文化の中で生活を送ることで学ぶこともあります。日常生活の中で、自分がどれだけ多くの事柄にアンテナを張れるかで見えてくるものもは変わってくると思います。山口県立大学国際文化学部で3年間学んだことを総復習するいい時間でもあると思います。少しでもアシスタントに興味があるのであれば、休学してでもすることをオススメします。